不妊治療中の働き方に対して取り組んだことを調査したところ、妊娠した方の52%が不妊治療に際して退職、転職、休職など、働き方を変えていたことがわかりました。一方、妊娠しなかった方のうちで働き方を変えていたのは32%です。なお、その差の大部分を占めているのは「休職」でした。休職したのは妊娠した方の28%、妊娠しなかった方の4%です。不妊治療が終わったあとも戻れるように在籍はするものの、不妊治療中は業務には取り組みにくいということかもしれません。妊娠した方は、休職して不妊治療に集中した方が多いことを示唆しています。
また、妊娠した方の89%が不妊治療と仕事の両立に対してハードルを感じていることがわかりました。特に仕事による肉体的・精神的疲労や通院時間の確保、同僚への気遣いに対するストレスは強いようです。上記の結果もふまえると、仕事を続けながら不妊治療をしていくのは難しいと感じ、妊娠した方は休職を選んだ方が多いのかもしれません。
今回の調査で、不妊治療をするには働き方を見直す必要性が強いのが現状だということがわかりました。
しかし社会で活躍する女性が多くなっている近年では、不妊症・不妊治療に対する意識も高まっています。政府も2017年度から不妊治療と仕事の両立を支援する制度を拡充する方針を発表しています。
不妊治療と仕事の両立は、社会全体として改善余地が大きい領域と言えるでしょう。
(※)不妊治療を現在行なっていないが、過去に行なっていた。
ここでの「不妊治療」とは、病院等の医療機関の診断・指示を受け、行なう治療(定期的に通院するタイミング法も含む)を指す。
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