とても切ない恋愛漫画です。
幼少期から、学生時代、そして大人に・・・。
その移りゆく時代の流れの中で、女子から女性という変革期に、恋に悩み、人生に悩んでいく、主人公・杏の物語です。なので、どの世代の女子にも共感でき、感情移入する事ができる部分があると思いますので、色んな世代の女性におすすめの作品です。
この物語の大きな軸は、幼少期に出会い、とてもとても好きになった北村大吾の存在です。一番の好きと、楽しいと、悲しい、沢山の”一番”の感情をこの大悟との時間で杏は共有し、得ました。そして、ここが究極の恋愛漫画の要素の一つなのですが、
「一番好きな人、一番大切な人に幸せでいて欲しい、幸せになって欲しい。幸せでありますよう。」
・・・という気持ち。
これは恋愛漫画の題材の大きな重要な要因でもあり、この漫画はそれがすべてというほど、重く作品の根底に横たわっています。その部分が、主人公の杏ちゃんの強い気持ちが、物凄く伝わってくる作品です。作品を通して全くぶれない部分です。
誰と付き合っていても、ずっと忘れる事のできない人。
というのが、いる。そういう人はわりと多いのではないでしょうか?忘れられない恋愛ってありますよね。そんな人がいる人に、ぜひおすすめの漫画とも言えます。
そして、この漫画はとにかく大人の私が読んでも、胸がキューンとするシーンが沢山あります。杏と大悟が結ばれるシーンも、全く生々しい部分が無く、読む人の想像力を極限まで働かせる感じで、物凄く素敵でした。
その初々しく、ピュアな感じが、物凄く、余計に胸がキュンキュンさせました。
とにかく杏ちゃんの大悟が好きという気持ちの描き方が可愛くて、いじらしくて、一生懸命で応援したくなるのですが、もう一人、多分この作品中一番の人気キャラクターであろう藤くんがもう最高で、杏ちゃんと大悟にはくっついて欲しい気持ちが強いのに、藤くんと杏ちゃんにも上手くいって欲しい・・・。
そんな気持ちを抱かせるほど、この藤くんという男子は女子の、女性の心を鷲掴みにするキャラクターです。
ハンサムで、御曹司で、頭が良くて、ぶっきらぼうだけど、優しい。
なかなかの究極のキャラクターです。素直になれないところあり、強がるところあり、でも、その裏に脆さが見え隠れする。もう母性本能をとことんくすぐるタイプです。
しかも、彼には出生の秘密がつきまとうのです。その影がさらに彼の魅力になっていて、これがまたとても切ない。
すべての年代の、切ない恋を読んで身を焦がしたい女子・女性にぜひ読んでもらいたい作品です。